FC2ブログ
Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
11 | 2018/12 | 01
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

「られる」の受身と自発の混同に注意
 日本語の「られる」には4つの意味がある。このうち、自発を受け身と誤解してはいけない。このミス、結構多い。

 「られる」の意味を、goo辞書では、受け身、可能、自発、尊敬の4つと説明している。
---引用---
1 受け身の意を表す。「乗客が次々と助けられた」「花壇の中にごみを捨てられて困った」
2 可能の意を表す。「僕でも組み立てられる模型」「彼が落第するとは、とても考えられなかった」
3 自発の意を表す。自然に…となる。「性格が性格だから将来が案じられる」
4 軽い尊敬の意を表す。「先生が入って来られた」→らる →る →れる
---引用---

 「と考えられる」は自発(上記3)であって、受け身(上記1)ではない。「自然とそう考える」、「そう考えて自然」という意味だ。この混同は多い。文章の書き方を論じた本ですら、「受動態を避ける」という趣旨でこの表現が登場することがある。

 受け身と自発の混同から生まれたのが、"It is considered that"という英語と推測できる。「と考えられる」を受け身と考えて、直訳しているのだ。だから、"It is considered that"と書くのは、ほぼ日本人だけだ。似た表現に”It is said that”(といわれている)があるので、ここから類似表現として生じたのかもしれない。しかし、「といわれている」は自発ではなく受け身だ。

 ちなにみ、「と考えられる」に直接対応する英語はないかもしれない。この表現は、婉曲的で、日本文化的だ。英語なら、"We conclude that"とか、"This results indicate that"とかの直接的な表現が多い。自信がなくて婉曲にしたいなら、助動詞(mayなど)を使う。
スポンサーサイト



プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム