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Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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談話の文法
 ライティングのルールに「既知から未知に書く」というのがある。しかし、このルールを日本語で説明した本は皆無だ。このルールを日本語で紹介されている本で、私の知る限り最も古いのが「談話の文法」(1978 久野暲)だ。

 「既知から未知に書く」とは、文頭には読み手が知っている情報を置き、読み手の知らない情報は文末に置いて文を構成することだ。久野暲氏は、「談話の文法」の中では、「旧から新へのインフォメーションの流れ」と述べている。この流れができると、文章の接続がよくなる。文章が読みやすくなるだけでなく、論理の飛躍も防止できる。文章作成上、きわめて有効なルールだ。

 しかし、このルールを紹介している本はほとんどない。もちろん、私の書いた本では紹介しているが、私以外の本で見出すことはまれだ。しっかり紹介している本として、「理系のための英文作法」(1994 杉原厚吉)がある。この本では、「古い情報を前に」として、20ページ以上にわたって紹介している。ただし、この本は英語の書き方について論じた本だ。日本語の書き方の本で、このルールを紹介している本はほとんどない。

 しかし、久野暲氏が、はるか昔(1978年)に紹介している。この本の中では、「文中の語順は、古いインフォメーションを表す要素から、新しいインフォメーションを表す要素へと進むのを原則とする」と述べている。その例として、この本では以下の英語を上げている。ただ、この本でも、例文は英語だ。
 〇 I gave the book to a boy.
 ✖ I gave a boy the book.
「the book」は、theが付いているので前に述べている「古いインフォメーション」だ。一方、「a boy」は「新しいインフォメーション」と言える。

 「談話の文法」は、他にも面白いことが多く書かれているので、国語に興味のある方は読んでおくことをお薦めする。たとえば、どの単語にも強調を入れずに、
 次郎ハ花子トボストン(ニ)行ッタ?
と質問した場合、返事として、
 ウン、ボストン(ニ)行ッタヨ。
は適切だが、
 ウン、花子ト行ッタヨ。
は不適切と述べている。

 「談話の文法」は、2000年に再出版されたようだ。ちょっと値が高い。旧版を古本で手に入れた方がいいかも。なお、手元にある旧版(1978年初版)には、古風にも、厚紙ケースに納められ、本にはパラフィン紙のカバーが付いている。
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プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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