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Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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論理的とは何か
偶然、「論理的とは何か」について考える機会が2度ありました。1つは、向後ゼミ研究発表会での「中高生の論理的文章作成における型の指導とピア・レスポンスの効果」という論文発表です。もう1つは、「論理的な話し方を身につけるコツ【ロジカルって何?】」(下記URL)という記事です。
http://www.n-links.co.jp/web/nblog/book/ronritekinahanasikata/?fbclid=IwAR3w0ulHHyzH363Tf2puWRDKhTmG4td8ckmmj7v-5ekLFHL9YsDrvSN8fW8

 論理的であることを論じるには、「論理的とは何か」を定義すべきです。世の中には、「論理的な」と謳う本や講座、記事が溢れています。しかし、この「論理的な」はいろいろな意味に使われています。だから、使う人によってかなり意味が異なります。そこで、「ここでは、論理的であるということを、こう意味でとらえている」という定義がほしいのです。人によって異なる解釈を、その場だけでもよいから、限定してほしいのです。(まあ、そう考え始めたのは、7年くらい前と、結構最近ですが)

 「中高生の論理的文章作成における…」という論文では、「論理的」を「三角ロジックに基づく状態」と定義しているようでした。つまり、三角ロジックの基本形である、主張、データ、理由付けができている状態です。この定義は、論文発表の場では、明確に言語化されていませんでした。しかし、発表内容を聞く限り、上記の定義と判断できました。

 定義の妥当性は二の次で、定義されていることが重要です。「ここでは、そういう意味で使う」と、ある程度妥当性のある定義を示してもらえば、その範囲で検討できます。逆に言えば、定義された意味以外は除外できます。「本当に、三角ロジックに基づく状態で文章を書けるようになるのか」を検証すればよいからです。「定義の妥当性は二の次」といいましたが、もちろん、ある程度の妥当性は必要です。

 一方、「論理的な話し方を身につけるコツ【ロジカルって何?】」という記事では、「論理的」を『「ゴールに向かって」「筋道立て」「明確に伝える」事』と定義してました(下記引用を参照)。
ーーー引用ーーー
論理的とは何か
メッセージ(伝えたいこと)を、「ゴールに向かって」「筋道立て」「明確に伝える」事が論理的であるとされています。

逆に論理的ではないことを把握しても、論理的の意味が見えてきます。

「論理的ではない」とは何か
反対に非論理的なものを上げると、

一貫していない
根拠がない
飛躍がある
言いっぱなし
感情的な主張
これらが含まれている時点で、論理性とは乖離してしまいます。
ーーー引用ーーー

 この定義には、妥当性がない(論理的ではない)ので認められません。なぜなら、「非論理的なもの」としてあげている5つの状態が、定義と整合しないからです。たとえば、「根拠がない」や「感情的な主張」は、定義である「ゴールに向かって」「筋道立て」「明確に伝える」のどれに反しているのでしょう?無理矢理関連づけようと思えばできますが、決して「明確に伝える」状態ではありません。

 このようないい加減な定義では、内容の検討ができません。なぜなら、「ゴールに向かって」「筋道立て」「明確に伝える」という観点で検討してよいのかかがわからないからです。この3つの観点で、論理的か非論理的かを検討するなら、定義の補足情報(「非論理的なもの」)が非論理的となってしまいます。これでは、定義の後に書かれている「論理的な話し方」も「セルフディベート」の内容も、論理性を検証できません。

 さらには、おまけで加えるなら、「非論理的なもの」としてあげている5つの状態が正しく並列できていません。まず、この5つは互いに重複しています。たとえば、「根拠がない」=「言いっぱなし」=「感情的」なのではないでしょうか。さらに、上4つは形容詞句ですが、最後の1つは名詞句です。

 ちなみに、私は、自分の講座(ロジカルライティング講座)の冒頭で、「この講座における論理的とはこういう意味です」と定義して始めます。
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プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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