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Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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反論は、従来の主張を上回っていることを論証しなければならない
 新たなことを主張することで生ずる対立を買って出る(反論する)人もいる。しかし、日本人は議論の勉強をしていないので、反論にならない。反論するには、従来の主張より自己の主張が上回っていることを論証しなければならない。

 反論する上で最初に確認すべきは、反論の対象である主張は立証できているのかだ。立証できていない主張に反論してはいけない。まずは、立証責任が果たされていることが、反論する第一条件だ。広く広まっている考え方などは、立証責任は果たされていると考えてよい。

 反論するなら、以下の2つのパターンになる。
1.従来意見にはメリットはない(あっても無視できるほど小さい)。一方で、深刻なデメリットが生じる。
2.従来意見にはメリットはあるが、デメリットの方が大きい

 この2つのパターンを、「出入国管理法改正」を例に説明しよう。与党側の主張は、「出入国管理法改正により、外国人労働者が増えるので、深刻な労働者不足を緩和できる」である。この主張は、立証責任が果たされているとしよう。

 この主張に対する反論は、以下のようになる。
1.出入国管理法改正により、外国人労働者が増えるが、深刻な労働者不足には焼け石に水である。一方、犯罪増加などのトラブルが増える。
2.出入国管理法改正により、深刻な労働者不足を緩和できるが、犯罪増加などのトラブルが増える方が、より深刻な問題である。

 このとき反論する側は、以下のことを論証しなければならない。
1.「出入国管理法改正による外国人労働者の増加は、深刻な労働者不足には焼け石に水であること」&「犯罪増加などのトラブルが増えること」
2.「深刻な労働者不足を緩和できことより、犯罪増加などのトラブルが増える方がより深刻であること」

 ところが、議論を知らないと、「メリットは認めるが、デメリットがある」と述べてしまう。つまり、「犯罪増加などのトラブルが増える」ことだけを論証してしまう。これでは反論にならない。反論するには、デメリットがメリットを上回ることは論証しなければならない。この論証は、反論側の責任だ。

 この、「メリットは認めるが、デメリットがある」と述べて反論した気になっている人は、知識人にもよく見られる。たとえば、新聞に記載されている大学教授の意見文などだ。「昨今、こういう傾向がある。確かにこんなメリットがあるのだろう。しかし、こういう問題が生じる」では、反論にはならないのだ。

 正当な反論であっても、説明の仕方が不十分だと、がっかりしてしまう。
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プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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