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Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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社説は、論理的な文章ではない
 社説は、論理的な文章ではありません。したがって、小論文の見本にはなりません。社説は、著作権上、学術や研究などを目的とするなら自由に活用できます。

 社説が論理的ではない最大の理由は、主張に対する根拠が希薄だからです。例えば、読売新聞の社説(2018.3.24)で、アメリカの保護主義政策について、「米政府は貿易摩擦が本格化する前に、強硬な措置の弊害の大きさを理解すべきである」と述べていますが、根拠は書かれていません。どのような大きな弊害を生むのか、その深刻さについての説明はありません。単に、一部の商品が米国輸出に対する競争力が低下するだけかもしれません。主張を述べた以上、「なるほどそうだ」と感じる根拠が必要です。その根拠は、具体的に詳しく説明するために4文以上は必要です。

 社説が論理的ではないもう一つの理由は、ロジックが読み取れないからです。ロジックが読み取れないのは、1,2文の小さなブロックをたくさん集めて書いているからです。1,2文で改行しているので、一つの論理構成単位が、複数のブロックに分かれています。そのため、論理構成単位が不明確です。さらに、このブロックがたくさんあるために、頭の中で整理できません。理解しやすくするには、人間の短期メモリに記憶できる7±2に、論理構成単位を抑えなければなりません。

 社説は論理的ではないので、小論文の見本にはなりませんが、読み物としての価値はあります。つまり、社説はエッセーに近いです。社説の大きな目的は、わかりやすい文章で、時事問題をポイントを紹介することです。主張は、おまけにすぎません。おまけに過ぎないので、述べるまでもない当たり前の主張が多くなります。当たり前の主張なので根拠も希薄になりがちです。

 社説は、著作権上、報道、学術、研究など社会公共目的に沿って自由利用できます。なぜ著作権上認められているかというと、民主的な社会の維持とその発展のためには、新聞が必要な情報や意見をできるだけ広く国民大衆に伝達することが必要だからです。このことについては、一般社団法人日本新聞協会の「新聞著作権に関する日本新聞協会編集委員会の見解」(http://www.pressnet.or.jp/statement/report/780511_87.html)記載があります。なので、新聞社各社の社説を転載したサイト(http://www.geocities.jp/ktaro38/)もあります。

 私が新聞の社説を書き直しすることがあるのは、論理的ではない文章で、著作権的に問題が生じにくいからです。書き直しすると言っても、書き直した文章を新聞に載せろという意味ではありません。社説はある意味読み物ですから、論理性最優先で書く必要はありません。著作権の問題も、私の認識上問題ないだけで、厳密な法律上はわかりません。学術や研究目的のために、使わせていただいているということで、新聞社にはご理解いただきたいです。
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プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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