FC2ブログ
Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
11 | 2018/12 | 01
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

相関関係=因果関係 ではない
ある講座で、女性の就業率が高いと、一人あたりのGDPが高くなるというデータが示された。講師は、「女性が活躍することが社会の生産性を上げる」ことを匂わせていた。しかし、相関関係すなわち因果関係ではない。

 このケースで、私が疑ったのは因果の逆転だ。一人あたりのGDPが高いから、女性が働ける職場も生まれるのではないか。あるいは、子供を預けて働ける環境も構築できるのではないだろうか。分かりやすい例を挙げよう。例えば貧困国。仕事は少なく、あってもきつい。働くのは男性ばかりで、女性が入る余地は少ない。貧しい国では、子供を預けて働ける環境もない。

 データをより細かく見ると、一人あたりのGDPが高い国は、北欧に多い。北欧の国々の生産性が高いのは、比較的恵まれた国土(地下資源や平野が多い)を少数の国民で維持しているからだ。ネットで検索しても、女性が活躍しているからという論調は見ない。

 そもそも、女性の就業率が高いことが、一人あたりのGDPを高めるなら、男性より女性のほうが生産性が高いことになる。これが、総GDPが高いなら、労働数が多いほど高くなるので、女性の就業率が高いことが有利に働く。しかし、このデータは一人あたりのGDPだ。男性より女性のほうが、明らかに生産性が高いとなると、多くの人の実感とは、ずれるのではないだろうか。

 断わっておくが、私は、「女性は生産性が低い」とか、「女性の就業率を上げることは意味がない」とかを言っているのではない。このデータから、「女性が活躍することが社会の生産性を上げる」とは言えないと言っているのだ。「女性が活躍することが社会の生産性を上げる」と言いたいなら、別のデータを持ってこいと言っているのだ。学者が、いい加減なデータで、証明できないことを匂わせるのはいかがなものかと言っているのだ。

女性の就業率とGDP
スポンサーサイト



プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム