Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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明治大学齋藤孝教授の文章を分析する(5)
 明治大学齋藤孝教授は、自ら「齋藤孝のできると言われる! 仕事の文章力」(ナツメ社)など、文章の書き方に関する本を多数出版しているが、実は論理的な文章を書けません。本人は書ける気でいるのかも知れませんが、まったく書けません。そのことを、齋藤孝著「頭が良くなる議論の技術」(講談社現代新書)の「はじめに」の一部を引用しつつ、複数回に分けて分析する5回目です。

 これまで指摘した問題を踏まえ、正しい文章に書き直すと、以下のようになります。

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 私は、議論を通して頭が良くなると考えています。頭がよくなると、現代のリーダーに求められる力も身につきます。頭をよくするには、いい議論が効果的なトレーニング方法です。

 ここでいう「頭が良くなる」とは、いい議論が持つ弁証法的運動を自らの思考の基本として身につけるということです。弁証法的思考とは、相反する意見の相違を克服して、より高い状態へと移行しよう試みる考え方です。弁証法的に思考できると、一つの視点からだけでなくさまざまな視点からものごとを考えることができるのです。さまざまな視点から、異質な意見や考え方を取り入れることで高次の考えへと発展させていく。異質な意見で指摘された矛盾や否定をいわばバネとして思考を上昇させていく。この弁証法的な運動こそ、思考の本質です。

「頭が良くなる」と、現代のリーダーに求められる「チーム思考力」が身につきます。「チーム思考力」とは、チームメンバーの知識や意見、アイディアをうまく絡み合わせて発展させ、新たな意味を生み出すコミュニケーション力です。「頭が良くなる」と、チームメンバーの知識や意見を、弁証法的に思考して、高次の考えへと発展できるのです。たとえば、…

「頭が良くなる」には、いい議論をすることが最良のトレーニングです。 議論によって相反する意見の合意点を見出すことは、弁証法的運動そのものです。この議論を習慣化することで、弁証法的運動が習慣化するので、「頭が良くなる」のです。たとえば、…

「いい議論」と限定をつけたのは、単に議論するだけでは力がつかないからです。議論によって相反する意見の合意点を見出すからこそ、弁証法的運動が身につくのです。「悪い議論」では、人格攻撃をしたりして関係を破壊します。このような議論で、弁証法的運動が身につくはずはありません。議論と同じ戦いである武道に型があるように、議論にも習得しておくべき型があります。その型を学ぶことで、弁証法的運動が身につく「いい議論」ができるようになるのです。

 議論によって、現代のリーダーに求められる「チーム思考力」が身につく、そんな意識で本書を読み進めてみてください。
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プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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