Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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明治大学齋藤孝教授の文章を分析する(1)
 明治大学齋藤孝教授は、自ら「齋藤孝のできると言われる! 仕事の文章力」(ナツメ社)など、文章の書き方に関する本を多数出版しているが、実は論理的な文章を書けません。本人は書ける気でいるのかも知れませんが、まったく書けません。そのことを、齋藤孝著「頭が良くなる議論の技術」(講談社現代新書)の「はじめに」の一部を引用しつつ、複数回に分けて分析していきます。

---引用始め---
いい議論はなぜ頭を良くするのか

 議論を通して頭が良くなってくる。これは私の実感です。議論の経験を重ねたからこそ鍛えられる知力、頭の良さというものがあります。一人で勉強しているだけでは獲得できない頭の良さが、議論を通して身につきます。ただやみくもにトレーニングしていても的確に筋力を身につけることはできません。頭が良くなる議論の仕方を練習することで、着実にスッキリした頭になっていきます。
---引用終わり---

 この書き出しのパラグラフは、総論なのか、各論なのか?

 もし、このパラグラフが総論なら、冗長で抽象的すぎます。1,2,3,5文目は実質同じ内容です。言い換えをして繰り返しているだけです。総論なら、同じことを繰り返す意味はありません。また、4文目については、どんなトレーニングが必要かを具体的に書くべきです。抽象的すぎるので、当たり前に感じるだけです。

 もし、このパラグラフが各論なら、パラグラフの2文目以上が、1文目の要約文をサポートできていません。1文目で「議論を通して頭が良くなってくる」と言った以上、2文目以降では、なぜ頭がよくなるのかの根拠、頭がよくなった具体例を示すべきです。

---続きの引用始め---
 私は大学の教職課程で授業のやり方やディスカッションのやり方を教えることが専門です。 この本で書くようなルールと技術を教え、実践させ続けてきました。その経験から、いい議論こそ頭を目覚めさせ良くする最良のトレーニングだと思うようになりました。
---引用終わり---

 1文目が要約文になっていません。もし、1文目が要約文だと言うのなら、このパラグラフでは大学の指導内容を詳細に説明することになります。

 また、1文目は、前のパラグラフとつながっていません。つながっていないので、突然の話の転換のように感じます。このパラグラフの1文目は、前のパラグラフ1文目とつながっていなければなりません。

 結局、このパラグラフは不要でしょう。前のパラグラフの繰り返しにすぎません。内容的にも、自分の抽象的な感想だけなので、「議論こそ頭を目覚めさせ良くする最良のトレーニング」に説得力がありません。せめて具体例でも挙げてほしいものです。

次回に続く。
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プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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