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Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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代案の3条件
 代案は、下記の3つの条件を満たしていなければなりません。しかし、このことを意識できない人は多いです。
 1.原案と異なる
 2.原案より優れている
 3.原案とは同時に実行できない

1.原案と異なる
 説明するまでもなく当たり前です。原案と同じでは代案にはなりません。原案のわずかな改良では代案とは呼びません。

2.原案より優れている
 説明するまでもなく当たり前です。原案より劣っている代案を採用する意味はありません。

3.原案とは同時に実行できない
 原案と代案が同時にできるなら、「両方実行しましょう」となって、原案を否定できません。

 実は、「3.原案とは同時に実行できない」を意識できない人は多いです。

 たとえば、大阪市が、学力テストの結果を教師のボーナスに反映させる方針を出したときのことです。この方針に反対するあるグループが、「学力は貧困との相関・因果関係が強い。大阪は相対的貧困率のが全国でもワーストに近い。相対的貧困率の改善をすべきだ」と主張していました。「それでは、相対的貧困率の改善も図りましょう。学力テストの結果を教師のボーナスに反映させることもしましょう」と言われておしまいです。

 ちなみに、代案が「原案とは同時に実行できない」ことを立証するのは、代案を出した側です。言い出した側が立証責任を負うのです。ただし、同時に実行できないことが、言うまでもなく当たり前なら、立証する必要はありません。

 なぜ、「3.原案とは同時に実行できない」を意識できないかと考えると、言い出した側は代案を出した意識がないからかもしれません。先の例で言えば、大阪市の方針に反対するグループは、反論したのであって、代案を出したつもりではいないのかもしれません。

 もうすこし、議論を勉強してほしいものです。

 注)私は、学力テストの結果を教師のボーナスに反映させる方針に賛成しているのではありません。
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文章とスピーチの違い(Part3)
 スピーチであるプレゼンテーションと文章では、説明をどう変えるべきか?のPart2。前回示した、スピーチとプレゼンテーションの違いのうち、「1.文章は記録に残るが、スピーチはその場で消える」と「4.文章はある程度の広範囲を見渡せるが、スピーチは話している部分しか意識できない」も、説明の仕方に、以下のような大きな差をもたらします。
1.全体での位置づけの把握容易さが違う
2.前後の接続関係の把握容易さが違う

1.全体での位置づけの把握容易さが違う
 全体像を述べてから詳細説明に移るとき、文章は全体像を頭に置きやすいのですが、プレゼンテーションは全体像を忘れやすいです。たとえば、「A,B,Cがある」と述べてからAを説明するときです。文章は全体像が詳細説明の前に書いてありますから、広範囲を見渡たすことで、全体像が確認できます。しかし、プレゼンテーションでは全体像が前のスライドに示されているので、詳細説明を聞いているときには、全体像がスライドに映っていません。今なされている詳細説明が、全体像のどこかが分かりにくくなります。

 そこで、プレゼンテーションでは、詳細説明をするときでも、全体像が目に映る工夫が必要です。A,B,CのAを説明するとき、A,B,Cという全体像を、小さく表示しておくのです。たとえば、Aのスライドの邪魔にならない部分(スライド右上)などです。

2.前後の接続関係の把握容易さが違う
 前後のトピックに接続関係があるとき、文章は前後の接続関係を確認しやすいのですが、プレゼンテーションは難しいです。接続関係があるとは、たとえば、原因と対策を述べたとき、対策が原因を正しく対応しているかということです。文章なら、前のトピックが直前に書いてありますから、広範囲を見渡たすことで、前後が確認できます。しかし、プレゼンテーションでは前のトピックが前のスライドに示されているので、次のトピックを聞いているときには、前のトピックがスライドに映っていません。今なされているトピックが、前のトピックを正しくヒットしているかが分かりにくくなります。

 そこで、プレゼンテーションでは、前後のトピックに接続関係があるとき、、対応関係が目に映る工夫が必要です。たとえば、前のトピックや図解を、次のスライドの邪魔にならない部分に小さく表示しておくのです。あるいは、前のスライドのキーワードを、次のスライドにそのまま持ち込むとか。

1.2は、なぜできない
 こういうことを意識できているプレゼンテーションを見ることはありません。なぜなら、プレゼンターは、全体像を絶えず頭に置けるし、前のトピックを意識しつつ次のトピックを説明できるからです。なにしろ、自分の作ったプレゼンテーションですから。しかし、初めて聴く聴衆からすれば、とても意識しきれません。
文章とスピーチの違い(Part2)
スピーチであるプレゼンテーションと文章では、説明をどう変えるべきか?前回示した、スピーチとプレゼンテーションの違いのうち、「3. 文章は読み方を受信者が決めるが、スピーチは受信者がコントロールできない」が、説明の仕方に、以下のような大きな差をもたらします。
1.並べる順が違う
2.最初と最後の重みが違う
3.説得のアプローチが違う

1.並べる順が違う
文章は重要な順が基本ですが、プレゼンテーションでは重要な情報を最後に出すときもあります。文章は、読み方を受信者が決めるので、最後まで読んでもらえる保証はありません。途中で読むのを止めてしまうかもしれません。しかし、確実に言えるのは、上から読んでいくということです。だから重要な順です。一方、プレゼンテーションは、最後まで聞くのが前提になりやすいです。なので、最後に重要な情報を出す戦略も使えます。

2.最初と最後の重みが違う
同じ理由から、文章は最初に大事な情報をまとめることが重要ですが、プレゼンテーションは最後のまとめも重要になります。文章では、最初に大事な情報をまとめるのです。最後まで読んでもらえると思ってはいけません。一方、プレゼンテーションは最後まで聞くのが前提ですから、まとめの重要性が増します。しかし、プレゼンテーションでも、いわゆる「つかみ」は重要です。

3.説得のアプローチが違う
説得するために、ステップバイステップに説明して、結論を最後にだけ述べたいならプレゼンテーションを使うべきです。文章で、ステップバイステップの説得はできません。なぜなら、文章の場合、結論が先にないと、ページをめくって結論を先に見るからです。文章では読み方を、受信者が決めるのです。どんな結論になるかわからない文章を、1ページ目から順を追って読む人はいません。一方、プレゼンテーションは最初から最後までを通しで聞くのが前提になりやすいので、ステップバイステップの説得に向いています。
文章とスピーチの違い(Part1)
文章とスピーチ(プレゼンテーション)は、何が違うでしょうか?この違いを意識すると、効果的な説明方法がわかります。私が感じる違いは、以下の5点です。他にもありませんか?
 1.文章は記録に残るが、スピーチはその場で消える
 2.文章は目から入ってくるが、スピーチは主に耳から入ってくる
 3.文章は読み方を受信者が決めるが、スピーチは受信者がコントロールできない
 4.文章はある程度の広範囲を見渡せるが、スピーチは話している部分しか意識できない
 5.文章はすべてを決めてから書くが、スピーチはある程度即興で話せる

1.文章は記録に残るが、スピーチはその場で消える
 なので、記録に残すときは、原則として文章を使います。記録に残るので、後で読み直すこともできます。スピーチも録音という手がありますが、その頻度を考えれば例外と言えるでしょう。

2.文章は目から入ってくるが、スピーチは主に耳から入ってくる
 なので、強調の仕方が変わります。文章は強調したいときには目に訴えます。つまり、強調したい箇所のフォントを大きくしたり、下線を引いたり、色を変えたりします。一方、スピーチは耳に訴えます。強調したい箇所では声を大きくしたり、間を開けたりします。

3.文章は読み方を受信者が決めるが、スピーチは受信者がコントロールできない
 なので、文章では読む速度から読む箇所まで読み手が決めます。文章なら、概略だけ読んで終わりにすることも、全部を通しで読むことも、大事な部分だけを選んで読むことも、分かりにくい部分を戻って読み直すのも、読み手の自由です。一方、スピーチは受信者である聞き手はコントロールできません。最初から最後までを通しで一回聞くのが前提になりやすいです。

4.文章はある程度の広範囲を見渡せるが、スピーチは話している部分しか意識できない
 なので、文章では全体を意識しながら細部を読めます。最近の文章は両面コピーか、ディスプレイに2枚表示が多いです。ですから、ある程度の範囲で前後を見渡せます。一方、スピーチでは、今話しているその部分、そのスライドしか意識できません。

5.文章はすべてを決めてから書くが、スピーチはある程度即興で話せる
 なので、文章では後から修正できません。一方、スピーチは聴衆を見ながら対応できます。聴衆が理解できていないと思えば、具体例を追加したりすることも自由です。

 では、文章とスピーチでどう説明の仕方を変えるか?それは次回。
自分の文章のチェック方法
 自分の文章が論理的で分かりやすいかどうかは、以下の方法でチェックできます。
 1.後に登場する見出しをすべて使って、簡単な総括文章が作れるか
 2.各パラグラフは、4-8文で構成されているか
 3.各パラグラフの先頭文でロジックは通るか
 4.各パラグラフの先頭文は、既知から未知に流れるか

1.
 正しく書かれた文章では、後に登場する見出しをすべて使って、簡単な総括文章が作れるはずです。見出しは、その文章のキーワード、つまり重要な論理構成単位です。論理構成単位を集めれば、文章の総括が出来るはずです。見出しを集めて短い総括的な文章が作れないなら、論理構成が不十分な証拠です。

2.
 正しく書かれた文章では、各パラグラフは、4-8文で構成されているはずです。説得力のある文章では、すべてのトピックを、データや具体例などで説明、論証しなければなりません。しっかりと説明、論証しようとすれば、4-8文程度は必要です。1つのパラグラフが1,2文だけで終わってしまうなら、説得できない、分かりにくい文章である証拠です。

3.
 正しく書かれた文章では、各パラグラフの先頭文でロジックは通るはずです。1つのパラグラフは、1つのトピック、1つの論理構成単位で構成されています。そのトピックを適切に1文目で表明できれば、1文目だけ読んで、すべての論理構成単位が拾えるはずです。すべての論理構成単位が拾えれば、それだけで文章として成立する、ロジックが通るはずです。各パラグラフの先頭文でロジックは通らないなら、1パラグラフは1トピックの原則が守られていないか、先頭文でトピックを述べていない文章である証拠です。

4.
 正しく書かれた文章では、各パラグラフの先頭文は、既知から未知に流れるはずです。その文章が横に並ぶロジックなら、最初にA,B,Cとポイントを述べてからA,B,Cを詳しく説明します。たとえば、この文章がまさにその形です。一方、その文章が縦につながっているなら、A-B、B-C、C-Dのように流れます。たとえば、以下のようにパラグラフの先頭文が流れます。
 ・プラントXで不純物混入という問題が生じている
 ・不純物が混入した原因は、バルブAに問題がある
 ・そこで、バルブAに〇〇という対策を取った
 ・この対策の結果、不純物混入率は基準値以下に収まるようになった
各パラグラフの先頭文が、既知から未知に流れないなら、説明が不十分、ロジックが飛んでいる文章である証拠です。

 ちなみに、上記4条件を満たす文章を見ることは、まずありません。
サマータイムの主なメリット・デメリット
 この夏の酷暑&東京オリンピック開催の観点から、サマータイム制が急浮上しています。サマータイムは、アメリカで生活していたとき、切り替え時を2度体験しました。その経験から、個人的には賛成です。しかし、いい加減な議論がまかり通っているので整理します。

 サマータイムの主なメリット・デメリットは、以下のようかと思います。
<メリット>
1.省エネ
2.活動しやすい
3.余暇増大
4.レジャー産業の繁栄
5.交通事故減少
<デメリット>
1.残業増加
2.切り替え時のトラブル&コスト増
3.切り替え時の体調不良

<メリット>

1.省エネ
 省エネになるという試算がある機関から出ています。しかし、推進派の試算だけに、あまり当てにはできません。省エネにはなるでしょうが、思ったほどではと言うのが現実かと思います。過大な期待は禁物です。

2.活動しやすい
 まあ、早朝の活動(通勤とか)は楽ですが、夕方の活動(帰宅)がきつくなります。オリンピックだけなら、それでもいいのでしょうが。プラスマイナスゼロですかねえ。

3.余暇増大
 ゴルフのような照明を使えない屋外レジャーは、ずらした時間の分だけ長く楽しめます。特に休日の夕刻でレジャーがしやすくなります。平日だと、明るいからと言って遊ぼうという気になる日本人は少ないでしょう。帰宅時明るくて暑いので、ビヤガーデンに出かける人は増えるかも。ただ、花火大会は厳しいかも。営業時間が延びそうなレジャー産業と、その逆で困る産業の例がもっとほしいです。

4.レジャー産業の繁栄
 上記の関連企業および飲食店などは、売り上げが伸びるでしょう。これも、試算や具体例がほしいですね。

5.交通事故減少
 これについては、わずかではありますが海外でのデータがあります。人が活動している時間での明るい時間の割合が増えるので、事故が減るという理屈です。しかし、この理屈が成立するなら、日の長い春から秋にかけての方が、秋から冬にかけてより、交通事故が減らなければなりません。国内ではそうのような傾向はありません。

<デメリット>
1.残業増加
 残業が増えるのは、明るい間に仕事をする人たちだけです。たとえば建築業とか。外が明るいからと言って、残業するオフィスワーカーは少ないでしょう。日照時間で残業が増えるなら、日の長い春から秋にかけての方が、秋から冬にかけてより、残業時間が増えなければなりません。国内ではそうのような傾向はありません。

2.切り替え時のトラブル&コスト増
 これは避けがたいですし、かなりのコストが必要です。特に、銀行のシステムや交通機関の運行システムでは大変です。ただし、多くの場合、導入時の最初の1回だけです。年に2回の切り替えは、家庭内においてはたいした手間ではありません。実は、今の多くの家電には、サマータイム制対応機能がついています。使わないし、目立たないだけです。

3.切り替え時の体調不良
 これを大げさに主張する団体がいますが、体験上、何の問題もありません。そもそも、1時間程度の変化で体調不良を起こすなら、年がら年中体調不良です。しかし、弱者のことを考慮しなければなりません。特に80歳以上の高齢者のデータがほしいです。

<注意>
当たり前ですが、1日は24時間であることは変わりません(切り替え時の2日を除いて)。9時-17時が定時の会社なら、9時-17時定時は何も変わりません。帰宅するとき、例年より外が明るいだけです。


プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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