Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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「まとめノート」のトライアル その3
 早稲田大学エクステンション講座「12時間で学ぶMBAエッセンス」の「まとめノート」作成をトライアルしています。PowerPointを使った「まとめノート」作成を考えてみました。

 私が学生時代、「まとめノート」は完全に手書きでした。まあ、ワープロもない時代ですから。手で書き写しながらまとめていたのです。ですから、相当な時間が掛かります。

 今の時代、さすがに手書きはないので、まず考えたのはMS-WORDです。「まとめノート」の元になる教科書も配付資料も、スキャナで電子化すれば、教科書も図表もコピペできます。授業ノートの内容を書き足すのも楽です。

 しかし、教科書が「まとめノート」の元にならないことが分かったので、MS-WORDではなくPowerPointの使用を考えました。「まとめノート」の元が配付資料(PowerPointのスライドコピー)だからです。配付資料のポイントをPowerPointで表現し、ノートペインに教科書や授業ノートの内容を書き加えようと思ったのです。

 前提として、教科書と配付資料の電子化が済んでいること。いずれも、すべてのページをスキャナでpdfに落とし、OCRで文字は電子化してあること。pdf内の図表を切り出せる環境を持っていること。

 で、できたのが下の図。3枚の内、上は講師の配った配付資料から作成、真ん中は「まとめノート」PowerPointの画面。下はその印刷イメージ。

 配付資料では、ポイントが整理できていないので、整理し直しています。ポイントをスライドペインで整理し、ノートペインには教科書からの引用と授業ノートからタイプした情報を記載しています。教科書と授業ノートを区別するために、授業ノートからの情報はイタリックにしてあります。印刷時は色でも差を加えています。

 配付資料を、なぜこうまとめたかは次回。

MBA_org1.jpg


MBA_note1.jpg


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「まとめノート」のトライアル その2
 早稲田大学エクステンション講座「12時間で学ぶMBAエッセンス」を受講したので、「まとめノート」の効果的な作り方を考えてみたい。

 ベースとすべきは、やはり教科書だろう。教科書に書かれている内容から、エッセンスを学んだのだから。教科書から講義で振れた部分を、配付資料を参考にまとめ、授業ノートで補足すればよいだろう。まずはそう考えた。

 しかし、この教科書が分かりづらい。実は、オリエンテーションでは教科書を前もって読んでおくと理解が深まることは告げられていた。しかし、私は予習を半分あきらめた。なぜなら、教科書の説明が分かりにくくて、予習に時間が掛かりすぎるからだ。ビジネスパーソンだと、1.5時間の講義に、数時間の予習は厳しい。

 教科書が分かりづらいのは、読み込まないとポイントが分からないからだ。なぜそうなっているかと言えば、文章に総論がないからだ。パラグラフにトピックセンテンスがないからだ。あるいは、1つのパラグラフで複数のポイントを述べているからだ。ライティングの基本をまるで知らない。

 たとえば、教科書の「オペレーション・マネジメント」の項目を参考に説明しよう(下図参照)。「オペレーション・マネジメントとは」とタイトルの付いたこの項目は、「まず、オペレーションズ・マネジメント(OPM : Operations Management)
そのものについて説明していこう。」と始まる。アホか!「オペレーション・マネジメントとは」とタイトルが付いているところで、オペレーションズ・マネジメントを説明するのは当たり前だ。筆者は読者を馬鹿にしているのか!ここでまず書くべきことは、「オペレーション・マネジメントとは何か」だ。この肝心なことは、このパラグラフの最後の方に書いてある。ここまで読み込んで初めて、「オペレーション・マネジメントとは何か」がわかる。全部読んで、大事なポイントを見つけ出さなければならない文章だ。

 この講座では、コミュニケーション能力の重要性を述べているのに、講師ができていない。この講座の「人材マネイジメント」では、下図のような概念図で、コミュニケーション能力の重要性を述べている。しかし、講師の書いた本は読みにくいし、プレゼンテーションもポイントがわかりずらい。MBAでは、コミュニケーション能力の重要性を学んでも、そのスキルは学ばない。なんだかなあ(まあ、アメリカなら学部で既に勉強済みなのだが)。

 というわけで、教科書を中心に置くのは時間が掛かりすぎて非効率的だ。別の手法を考えることにする。

MBA_text.jpg



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「まとめノート」のトライアル その1
 早稲田大学エクステンション講座「12時間で学ぶMBAエッセンス」を受講したので、試しに「まとめノート」を作ってみようかと思う。

 前にも書いたことだが、あらためて記す。「ノートをとる」というノートには、「授業ノート」と「まとめノート」の2種類ある。この2つを混同してはならない。

 「授業ノート」では、講義内容の細部をメモするのであって、まとめをするのではない。細部、つまり具体例などをメモするのだ。まとめは、テキストなどに書いてあるのだから、授業中にメモする意味はない。だから、黒板(ホワイトボード)に書かれたことを中心にメモするのではない。少しでも重要と思うことはすべて書くのだ。何が本当に重要かは、受講中には十分判断できないこともある。だから、細かいことまで書くのだ。そこで、「ペン先から煙の出る速度」でノートを取るのだ。

 まとめを書くのは、授業後に作成する「まとめノート」だ。細部をメモした「授業ノート」とテキストを使って、自分がマスターすべきことをまとめていくのだ。『東大合格生のノートはかならず美しい』という本で言うノートとは、「まとめノート」だ。「授業ノート」は、「ペン先から煙の出る速度」で書くのだから、美しいはずがない。

 この「まとめノート」、どうすれば効率よく作れるだろう。「まとめノート」を作るのに使うのが、教科書、配付資料、「授業ノート」だ(下記の写真)。昔なら「まとめノート」はすべて手書きだ。しかし、今、教科書、講義配付資料は電子化できる。図は画像でコピペできるし、文字はOCRで認識できる。「まとめノート」を効率よく作る方法を考えていこう。

 ということで、次回に続く。


ノートの取り方
 昨年の秋からここまで、15回の講演で33時間の講義を受講して、ノートを1冊書きつぶした。1時間平均で2.5ページになる。基本的には、一番前の中央に座り、「鉛筆の先から摩擦熱で煙が出る速さ」でノートをとる。

 私が「鉛筆の先から摩擦熱で煙が出る速さ」という表現を知ったのは、宇佐美寛氏の「大学の授業」という本だ。

---引用---
 一見、よくまとまっていると見える要約、まとめ、スローガンは要らない。そんなものはノートに書かなくてもいい。帰宅してノートを整理する時に書きこめば十分だ。具体的で面白い事実、目を低く(視線を低く) するとはじめて見えるような細かい事実、飾らないくだけた言葉……そういう類いの非インテリ的な事柄をノートするのだ。
 そういう目の低い「低級」なことを書くのだから、相当な量を書くことになる。相当な速度でノートをとる。鉛筆の先から摩擦熱で煙が出る速さだ。ボールペンの場合は、インクが油性で引火するおそれがある。教室には消火器を置く。…… といった速さだ。
---引用---

 私が、「鉛筆の先から摩擦熱で煙が出る速さ」でノートを取り始めたのは、約40年前の高校生時代だ。先に紹介した本に出合うずっと前。あるとき、高校の先生の話すことを片っ端からノートにとってみようと思ってやってみた。このノートをとると、定期テストの点数がグンとよくなったのを覚えている。

 ちなみに、「インクが油性で引火するおそれがある」のは困るので(笑)、私は万年筆を3種類使い分けている。
 ・黒インク:講師の述べたことを記す
 ・青インク:受講生が述べたことを記す
 ・赤インク:自分が感じたことを記す

 書き洩らさないために、略語や記号を多用する。たとえば、頻出するキーワードは略語化する。
 ・スモールステップ  → SS
 ・即時フィードバック → SFB
他にも以下のような記号を使う。
 ・増える or 高まる → ↑(逆もあり)
 ・良い/悪い   → O/X

 宇佐美寛氏は「大学の授業」で、ノートの効果を次のようにも述べている。

---引用---
 自分でノートをとるのは、緊張するためにとるのだ。ノートをとるためには、どうしても話の内容を頭の中で整理しなければならない。内容の構造を考え、どこが大事かを判断しないわけにはいかない。この過程が頭のためになる。考えながら聞く…… これで受身のテープレコーダーのような頭にならずにすむ。
---引用---

 偉そうなことを言ったが、高校時代から40年間、私自身がこういうノートを取り続けてきたわけではない。正直、大学生以降ずっと、怠惰に授業を受けてきた。このノートの取り方を思い出したのは、自らが研修講師として人に指導するようになってからだ。なにしろ、企業研修の受講者のほとんどは、全くノートを取らない。その状態を目にして思い出したのだった。
ノートを取る理由
 早稻田大学エクステンションセンターの「教える技術」(向後千春教授)の全4回に参加した。いつものように、「鉛筆の先から摩擦熱で煙が出る速さ」でノートを取る(下図)。ノートを取ることについては以前にも書いたが、また記しておこう。

 ノートを取る理由は2つある。
1.その場でしか得られない情報を記録に残す
2.緊張し、集中して講義を聴く

1.
 ノートには、その場でしか得られない細かな情報を書く。その代表が具体例だ。抽象的な言葉で分かった気になってはいけない。具体例やデータがあるからこそ理解できるのだ。具体例は、著作や配付資料には載っていないので、ノートに取るのだ。神は細部に宿るのだ。

 向後先生が話す、テニスの例こそノートに取るのだ。向後先生はテニスが好きなので、講義の中で、テニスに例えた話が出てくる。テニスの話は雑談ではない。そういう具体的な話が理解を深めるのだ。

 ノートには、まとめやキーワードを書くのではない。そんなことは配付資料や著作に載っている。必要なら、著作を読めばよい。汚い字で書かれたノートを見る必要は無い。ノートにまとめを書こうとするから、ノートに書くことがないのだ。

 具体例など細かな情報をノートに取るので、「鉛筆の先から摩擦熱で煙が出る速さ」で書く。何が理解を深める情報かは、その場では分からないので、とりあえず可能な限りノートに書く。話したこと全部をノートには取れないので、取捨選択は必要だ。しかし、全部をノートに取る気合いでペンを走らせる。

2.
 「鉛筆の先から摩擦熱で煙が出る速さ」で書くと、緊張し、集中して講義を聴くことになる。一言も漏らすまいと思うので、一瞬たりとも油断はできない。1.5時間の授業なら、1時間を過ぎたあたりで頭が痛くなる。受講後は、「面白かった」ではダメだ。「疲れた」が正しい。

 緊張し、集中して講義を聴くと、疑問がいろいろ湧いてくる。疑問が湧くのは、理解が深まっている証拠だ。理解できなければ、疑問も生じない。湧いた疑問も、ノートに書いておく。

 と、偉そうなこと書いたが、頭で描いていることと現実にできていることは違う。向後先生が、「自分は、フェデラーのフォームで打っているつもり」とおっしゃったのと同じだ。後で自分のノートを見直すと、まだまだ修行が足りないと思う。


プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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