Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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Google翻訳を英語ライティングの指導に活用
 今でも、ときどき、英語のテクニカル・ライティングを指導するときがある。指導を始めたころに比べると、時代に合わせて指導方法が変わってきた。今回、新たな試みをすることに決めた。

 昔は、紙の辞書が中心だった。講師も受講生も、紙の辞書を頼りに英文を書いていた。

 電子の時代となり、紙の辞書は、電子になった。辞書の表記や例文集の記述を、パソコンを使ってプロジェクターに表示できるようになった。これでかなり指導しやすくなった。「辞書にこう書いてある」とか、「例文集を見れば表現がわかる」とプロジェクターで示せた。

 さらに、インターネットの時代になって、例文集としてWEBが使えるようになった。例文集を購入しなくても、Weblioで例文検索が無料でできるようになった。Googleの検索機能を使えば、よく使われる表現なのかどうかも、ヒット数から判断できるようになった。

 さらに時代は進み、今後は、Google翻訳を活用しよう。従来、「この日本語を英訳してください」としていた出題は、「この日本語をGoogle翻訳で英訳するとこうなります。この英語をより適切な英語に直しましょう」と出題することにした。ビジネスの現場で英文を書く時、「Google翻訳を使ってはいけません」なんてことはあり得ない。使えるものは総動員して、生産性を高めるべきだろう。

 そのうち、科学が進めば、英語のライティングは指導する必要がなくなるかもしれない。まあ、それは私が生きているうちはないだろう。
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カスタマイズお断り
 私は、講座のカスタマイズを、承ることはありません。カスタマイズは、スキル習得上、何のメリットもないからです。

 時々、研修担当者が、自社向けのカスタマイズを要求してきます。たとえば、ライティング講座やディベート講座で、自社に関係した内容の文章やテーマを扱ってくれと。あるいは、内容が古いから、新しい内容にしてくれとか。

 私は、この手のカスタマイズをお断りしています。なぜなら、用意している文章やテーマは、学習効果を高められるよう、10年以上かけて練り込んできているからです。時には、講座の別の部分とつながりを持たせていたりもするからです。受講者に身近であるという理由だけで、文章やテーマを変えれば、学習効果が下がるだけです。

 たとえば、ロジカルライティング講座では、「ソニー社のAIBOを分析する」というテーマでレポートを作成する課題を使います。この課題は、ロジックを縦と横で組むことを学習するのに最適だからです。他のテーマの課題も持ち合わせはありますが、このテーマ以上に、ロジックを縦と横で組むことを学習するのに適したテーマはありません。

 しかし、研修担当の中には、「AIBOは古いので別のテーマに」と言ってくる人がいます。テーマの新旧は、文章の書き方と関係がありません。最新のトピックにしても学習効果に何の影響もありません。逆に、ロジックを縦と横で組むことを学習しにくくなるので、大きなマイナスです。

 ただ、学習したことの応用として、受講者がよく書く文章を引き合いに、説明を付け足すことはやります。
 
居眠りしている受講者はそのままで
 研修中、居眠りをしている受講者がいる。私は、基本的には起こさない。

 私の研修は講義中心だが、居眠りをしている受講者はほとんどいない。私の理想は、聞けば聞くほど興味がわいて目が覚める講義だ。講義の内容も、話し方も、そうなるように工夫しているつもりだ。だから、一瞬気を失うような人はいても、居眠りを続ける人は少ない。

 そうはいっても居眠りをする人がいるが、私は起こさない。起こす努力もしない。居眠りしている人は、ある意味、見捨てている。起こしたとしても、居眠りするような意識なら、講義内容はどうせ身につかない。居眠りしていても身につくような、そんなに簡単な内容ではない。

 時々、研修担当の人が、居眠りしている人を突っついて起こすことがあるが、私は「寝かしといてあげれば」と思う。どうせ身につかないなら、居眠りを続けた方が本人のためだ。起こして無理矢理聞かせることに意味はない。

 唯一、居眠りを起こそうとするのは、いびきをかいている場合だ。さすがにいびきは講義の邪魔になる。研修受講中、いびきをかいて寝るとは、すごいなあ。
受講者の指名順
 研修をやっていると、受講者を指名しして、質問に答えてもらうときがある。受講者をランダムに指名しているのではない。

 時間が押しているなら、正解を答えてくれそうな受講者を指名することがある。正解を答えてくれた方が、講義が早く進むから。この指名はちょっとずるいかな。

 逆に、正解を答えては困る場合は、答えられそうもない人を指名する。講義の流れで、正解ではなく、間違えてもらった方がよいときもあるのだ。特に、典型的な、こちらが待っている誤答をしてくれると、講義が上手く進む。

 居眠りしている人の隣の人を指名する。居眠りしている人は指名しない。居眠りしている人を指名しても答えられないので無駄。隣の人を指名すれば、回答する声で、寝ていた隣の人も目を覚ましやすい。

 年配の方には、正解しやすい問題で指名する。歳を取るにつれ、変なプライドを持つ方がたまにいる。質問に正解できないと恥ずかしいと感じてしまうらしい。少数派だが、年配の方には若干いる。

 基本的には、指名回数が均等になるように指名する。だから、だれを指名したかを名簿にチェックする。たまに、やる気のない受講者がいると、二日間で一度も指名しない。やる気のある受講者を優先する。

 最も難しい問題には、最も真剣な受講者を指名する。難しい問題は、ぼーと考えているようでは、正解を望めないから。
ルールに例外があるなら、説明が必要
 指導するに当たり、説明できない例外があってはならない。例外があるなら、例外があることを指摘した上で、その理由を述べなければならない。

 たとえば、『文章は、〇〇で書け』というなら、対象としている文章はすべて、そのルールに基づいて書かねばならない。より具体的には、『起承転結で書け』と説明する本なら、その文章はもちろん、その本のすべてが、起承転結で書かかれてなければならない。『結論を先に書け』と説明するなら、すべての文章を結論から書かなければならない。

 もし、例外があるなら、そのことは前もって言っておかなければならない。例外の説明なしに、ルールに基づいた文章と、そうなっていない文章が混在していれば、学習者は混乱する。最悪、指導者の説明が間違っている、機能しないことを、自ら証明していることになる。

 さらに、なぜそれが例外かも説明できなければならない。例外を判断する根拠が『経験』なら、つまり『それは経験だよ』と言うなら、講師はいらない。例外の根拠まで説明できるから講師、指導者なのだ。経験で身につけるなら、コーチはいらない。

 実は私は、ライティングを学び始めたとき、例外を教わらなかったので苦労した。基本ルールだけを教わって、例外を知らなかった。だから好例であるはずの文章に、ルールに則っていない部分があることが理解できなかった。この釈然としない気持ちが、クリアになるのに相当な時間を要した。

 ちなみに、私の著書(特に近著)では、私が説明する書き方で、すべての文章を書いてある。例外があるときは、本の中で説明している。もし、本の中の文章が、私が説明する書き方になっていないなら、チェック漏れに過ぎない。


プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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