Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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箇条書きで注意すべきこと
 箇条書きは読みやすいのでビジネス文章にはよく使われます。簡単なようですが、結構注意すべきことも多いです。

1.公式性の低い文章に使う
 箇条書きは、ベタの文章に較べると、公式性に劣ります。したがって、公式性の高い文章、たとえば学会論文などには使いません。社内文書などに適した書き方です。学会論文などでは箇条書きが使えないので、ベタの文章中に番号、たとえば(1)のように、書き入れることがあります。

2.羅列できる情報だけを並べる
 箇条書きできるのは、羅列できる情報だけです。羅列できる情報とは、並列している情報か、ステップ・バイ・ステップのような情報です。普通の文章、たとえば、このパラグラフの文章を、読みやすいからと言って箇条書きしてはいけません。「この文章を箇条書きするわけはない」と思うかも知れませんが、そういう文章を書く人は結構います。

3.同じ種類の情報だけを並べる
 箇条書きできるのは、同じ種類の情報だけです。同じ種類、つまりメリットならメリットだけを箇条書きします。その箇条書きに、デメリットを書いてはいけません。これも当たり前のように感じますが、できない人は多いです。

4.同じ形に揃える
 箇条書きされている情報は、可能な限り形も揃えます。文なら文で、名詞で終わるなら名詞で終わるように統一します。ただし、若干の不揃いは許容すべきことも多いです。

5.数字と記号は使い分ける
 文頭を数字にするか、記号(●など)にするかには意味の差があります。数字を使うときは、序列がある場合か、後で参照したい場合です。ステップ・バイ・ステップのような情報は、序列があるので文頭を数字にします。この文章の見出しに番号を置いていいるのは、参照しやすくするためです。普通に並列するだけなら、記号を使います。記号を使った場合、重要な順に並べるのを基本とします。

6.記号は意味で統一する
 文頭を記号にするとき、同じ並列なら同じ記号を使います。たとえば、あるページで注意事項を●で箇条書きしたら、別のページの注意事項も●で箇条書きします。記号をむやみに変えてはいけません。

 ざっと、思いつくままにポイントを紹介しました。箇条書きひとつでも注意すべきことはたくさんあります。
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重要な順、時間順、あとは…
 並列したら順位付けをする。順位付けで最も使われるのが重要な順。次いで、時間順。重要性と時間に差がないときは、テクニカル・ライティングなら、言葉の長さ順やアルファベット(あいうえお)順を使う。

 重要性と時間に差がないなら、短い方から長い方へと並べる。この方が発音しやすいから。"ladies and gentlemen"は、レディ・ファーストではない。短い単語を前にした方が言いやすいから。事実、"boys and girls"と、こちらは男が前だ。

 重要性と時間、長さに差がないなら、アルファベット順を使う。"boys and girls"はアルファベット順だ。日本語で「白黒」でも、英語なら"black and white"となる。ディズニーなら、"chip and dale"だ。

 しかし、ここであげた例は、カクテルパーティ効果ではないか?カクテルパーティ効果、つまり、自分に都合のよいサンプルだけを無意識に拾い上げる現象だ。だって、"Jack and Betty"や"Tom and Jerry"もある。

 ちなみに、日本語の「白黒」や「早慶」は何の順?まあ、「黒白」や「慶早」という人もいますが...
 知っているのと、できるのは違う
 知っているのと、できるのは違う。重要な順に並べるという簡単なことすら、できない人は多い。

 たとえば、「女性活躍推進セミナー」という催しに参加した報告書を書くケースを考えよう。たまたまネットで見つけた催しを例に使う。カリキュラムが下図のようになっている。(https://www.sendenkaigi.com/…/sa…/03240957_5510b68768414.pdf を参考)
WS000008.jpg

 このセミナーの参加報告書を書くとき、ほとんどの人は、聴講した5人の話を、この順番で説明するだろう。その順番で書くのが楽だから。セミナーのパンフには、その順番にカリキュラムが載っている。自分のノートにもその順番でメモが書いてある。

 なぜ、重要な順に並べ直さないのか。読み手は、自社の参考になる事例を知りたいはずだ。報告者が聴講した順に、報告を読む意味はない。報告の順とパンフの順が一致しなくても、報告書の最初に「参考になる順に」と断っておけば問題ない。そもそも、読み手は、報告書に添付されているパンフなど読まない(忙しいから)。

 重要な順に並べるという、誰もが知っていることですら、意外と難しい。
plan-do-check-action
 私は、「plan-do-check-action」が嫌いだ。この4単語が揃ってないから。細かいことだが、この並列感が論理的思考には必要なのだ。

 「plan-do-check-action」は、名詞と動詞の混在で揃っていない。正しくは、「plan-do-check-act」あるいは「plan-deed-check-action」だ。

 わずかな並列の崩れも許さないことが、論理的な思考には必要なだ。表現が揃わないなら、並列できない情報を並列している可能性がある。逆に、きれいに並列できれば、表現も揃う。

 論理的思考でよくいわれるMECE(モレもなくダブりもない)は、厳密な並列ができて初めて可能なのだ。MECEという概念は理解できても、自分ではその組み合わせが見いだせない人が多い。そういう人は、並列という概念が甘いことがおおい。何となく似ているだけで並列しているようではMECEは無理だ。

 私は、並列している文なら、読点一つも不揃いを許さない。もし、並列している文の中に、読点のある文が1つだけあるなら、その文だけ構成が他の文と異なっている可能性が高い。なぜ、そこに読点を打ったのかをチェックする。


プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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