Logical Skill の深い話
Logical Skill (特にLogical Writing) について、著書(たとえば、「論理が伝わる世界標準の書く技術」講談社)には書かなかった、より深い話を紹介します。
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リンクを繋げる難しさ
「多くの人は、このリンクがまともに繋げられない。繋げられないのに、繋げている気になっている」と述べた。その例を示そう。

 家庭ごみの収集を有料化すると、家庭ごみが減ると、すぐにリンク繋げる人が多い。有料化すれば、お金を払いたくないので、出すゴミの量が減るというわけだ。「家庭ごみの収集を有料化→家庭ごみが減る」のリンクがつながっていないことに気が付かない。つながっていると思い込んでいる。

 しかし、有料化されていない自治体に在住の人に、なぜ家庭ごみが減るかを質問すると、ほぼ答えられない。家庭ごみの収集を有料化したからといって、ゴミはゴミだ。生ごみを食べるわけにはいかない。ゴミをため込んでゴミ屋敷にすることもできない。埋めたり燃やしたりは、田舎ならともかく都心では無理だ。結局、ゴミは回収してもらうしかない。

 家庭ごみの収集を有料化すると、家庭ごみが減るのは、リサイクルが進むからだ。リサイクルが可能な、紙資源、ペットボトル、発泡スチロールのトレイ、ビン、缶などは、無料で回収される。リサイクルできるものはリサイクルに回すので、家庭ごみが減るのだ。

 この例のように、「AならばBになるはず」というリンクを、甘く考えている人は多い。
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問題解決で情報は縦につながっているか?
 多くの人は、文章にしろ、プレゼンにしろ、情報を縦につなぐのが苦手です。先日、某大手エレクトロニクスメーカーで事業計画書のチェックを頼まれましたが、やはり情報がつながっていません。情報間が正しくつながっていないので、論理性が低くなってしまっていました。

 情報を縦につなぐというのは、たとえば、現状分析と方針、対策が関連を持っているということです。現状分析の結果として、方針が生まれます。方針に従って、対策を立てるのです。現状分析の結果と無関係な方針や、方針と無関係な対策はありえません。しかし、現状分析、方針、対策がすべてバラバラということは珍しくありません。

 もし、来期に新たな方針を立てるなら、以下の3つのどれかで、方針に対応する現状分析を掲載しなければなりません。
1.ビジネス環境に大きな変化が生じた(たとえば、中国マーケットの大幅な縮小)
2.従来の方針では、目標を達成できなかった
3.目標を達成したので、さらなる高い目標を設けた

 同様に対策は、方針に基づいていなければなりません。方針に対応する対策がないとか、対策に対応する方針がないとかは許されません。

 上記は当たり前のように感じますが、実際のビジネスの現場ではできていないことが多いです。なぜできないかというと、実際には、現状分析→方針→対策の順に意思決定がされないからです。実際のビジネスの現場では、現場の状況を考えると、やるべきこと(対策)は最初から決まっていて、後から方針が降りてきたりするのです。下手すると、対策→方針→現状分析で計画書を作ったりします。こうなると、方針作成や現状分析がやっつけ仕事になるのです。

 私は、現状分析と方針、対策が、きれいにつながっている資料を見たことはありません。


プロフィール

ロジカルスキル研究所代表

Author:ロジカルスキル研究所代表
ロジカルスキルを企業研修で指導しています。主な講座は、ロジカルライティング、ロジカルネゴシエーション、ディベート、ロジカルプレゼンテーション、英文テクニカルライティングです。

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